ケイサンブログ

デジモン好きなムシがお送りする、デジモンだったり違ったりな徒然日記。

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おぉ! そこに人殺しが居る!

 
 あらすじ、と言うのでしょうか。本を裏返したそこにある文章の書き出しは、初っ端からこうだったという。過程すっ飛ばし過ぎだろう(笑)
 以下より、読了した陰摩羅鬼の感想です。ネタバレ配慮なし。ご注意を。
■「陰摩羅鬼の瑕」/京極夏彦先生

 表紙を開くとまず目に飛び込んでくる石燕の絵。それをめくって現れるのは、漢文だったりと見た目「うわっ」と思う難解な陰摩羅鬼の資料。始めっから良い感じに取り残されました。けど、それが好きだったり間に短編を挟んでいたりすると懐かしかったりでスゲエ良かったです。良く分からないですが、「帰って来た」感があった(笑)

 舞台や家柄が特殊――と、いうのはいつもの事ではありますが。その中でも昴允という人は特殊でしたね。今まではまだ同じ言語では話せていたのに、彼だけは違う言語を用いていた。だからなにか理解をする時に、どんどんとズレていってしまったような……。公滋さん曰く、そのズレは鳥屋敷という特殊空間においてのみ有効な時の流れが原因と言っていたけれど、自分にとっては「言語のズレ」ではないのかなと。
 そういう意味で、今回の京極は「翻訳師」みたいな印象を受けました。
 京極は相手の「作法」ないし「法則」「規則」「掟」「決め事」を見抜いて解き解しっていってくれる――という在り方が、ここでは1番有効だったように思うのです。
 言葉や解釈、意識無意識の下に生じてしまった齟齬を理解し、その上で同じ土俵に立って――というのはどこか違う気がしますが、要するに目線を合わせて話をしてくれる。「1+1=2」だと良く言いますが、確かに小石の横に小石を持ってきたら2個になりますよ。しかし水の雫だったりしたら、1と1を足しても1つに纏まって大きくなるだけです。後者の考え方をしている人に、前者の考え・解釈を教えるのは非常に難しい……まず、お互いはお互いに持っている解釈が絶対で、当然相手もそうだろう、と考えているから、余計にです。
 百鬼夜行シリーズは、そんなお互いの齟齬を歩み寄らせる小説なのでしょうね。探偵小説と言うよりも。

 柴俊貴と妖怪談義をしている間に新しい発見を知ってちょっと気分を高揚させてみたりしていた京極堂と、「僕もう此処に来てしまった」「魂呼ばいと云うのは、本当に死んだかどうか確かめる為に行うのです」という言葉が印象的でした。彼は自分を嘘吐きと称していましたが、特に後者の台詞にはまったく嘘がないのですよね。理解してしまったけれど口に出せない関君と、そこをおして語る京極堂の対比がとても……哀しかった。
 人の傷を引き受ける様にして癒していく、という表現がなんとも。普段厳めしいから少しでも笑うと柔和に見えるとか、声音だけで相手を安心させてやるとか、そういうった所も含めて今回の京極堂は人間味があったように思います。
 死体という概念が無い――例え動かなくなったとしてもそこに存在して居れば、生きている。
 ずっとそう考えていた。むしろ動かないからこそ家族である。と思っていた由良昴允伯爵にとって、この結末はどれだけ哀しいコトだったのか。今まで家族となるため行ってきた事が殺人だった、なんて。そんな事を言われて理解はできるのか。けれどどんなに理解が難しくとも必死に理解しようと努めている姿勢が……ぐはぁ……!
 自分にとって死は死です。説明するのは難しいので記事に書き込む事はしませんが、大切な人が亡くなる(あぁ、ここも勘違いのもとになったんでしょうな)のは哀しいです。でも、遺体が目の前になるのは伯爵にとって生きて居るのであって……云々。それを思うと棺に入った薫子さんが登場した時の周りの反応は本当に不思議だったのだろうなぁ、とは、自分には想像するしかないですが。
 人が死んだら哀しいです。しかし死体という概念がない伯爵に、その人は死んでしまったのですよ。と改めて教えるのは難しでしょうね。けれど世間一般的には大切な人が死んでしまった時には、皆自動的に哀しくなれます。涙を流せます。今回は、死を知らぬ人に死を教えるという展開事態がどこか悲しかったです。
 葬式等は、死んでしまった者ではなく生きている者の為にあるという。
 なら、伯爵も葬式をする事で改めて愛する人の死を整理できるのかな。そんな事を思っとりました。


 関君は今回も散々な目にあっていましたが、それでもいつもの展開よりは救われたような気がするのは、恐らく……最後に京極が来てくれたからというよりも、伊庭さんのお陰だと自分は思ってます。あの事情聴取の件は、関君に対する伊庭さんの姿勢に自分まで救われた気になったんです。なんとなく。
 そして榎木津探偵は、今までで1番やるせなかっただろうなと。彼も彼で一般とは違った言語を持つ人だと思うのですが、きちんとした依頼を受けられなかった。今までは怒ったとしても「天誅だ!」とやり返すのが常な榎さんなので、関君に酷い事を――言うのは常か(殴) 笑いどころではなく、ただ悪態をつく彼はとても印象的でした。
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Comment

追いつかれるっ!?

 そのまんま。
 邪魅を読み始めたもののめっちゃ序盤で停滞しているこのおいら。やばいぜこのままじゃ追いつかれるぜ。まーでもまだ徒然袋―風があるし、急いで読むもんでもない。自分のペースで読み進めるべい。ついては間が空いて内容が飛んじまってるかもしれないし、この際最初から(追い抜かれフラグ

 姑獲鳥以来のスーパー関口タイムであったね。どうやら関口君は鳥系の妖怪と因縁があるらしい(?)。姑獲鳥についての考察も再びあったりで、途中に外伝を挟んだこともあって豪く懐かしい感じがしたもんだぜ。「帰ってきた感」ってのは凄く判る。
 最初の関口君と伯爵とのやり取りは云わば物語の核心の部分、このシリーズにおいては今までなら憑き物落としでやっとこさ明らかになっていた部分。それを先に明らかにするってとこが、この陰摩羅鬼の今までの作品との違い。そして読者は冒頭でヒントを得、お話が進むにつれて(事件が起こる前だというのに)事件の全容に気づいてしまう。そしてまた伯爵が純粋過ぎるがゆえに、また薫子さんが可憐すぎる(ここ大事)が故に彼らの幸せを祈り、「俺の予想どおりにならないでくれぇー!」と思ってしまうという。フツーは途中で事件の全容が判ると「ニヤリ」と勝ち誇ってしまうものだけど、このお話は判ることでショックを受けるという。判っていながらも回避できない悲劇っつーのか。それが一層――こう、あの、アレ、アレなんだよな(なんだよ
 こういうやり方もあるんだと思ったもんである。
 ちなみに僕はこの陰摩羅鬼、今までのあのシリーズとはちょいと趣向が変えられているけれど、それでいてあのシリーズを象徴するような作品だという印象を受けた。君は「今回の京極堂は翻訳者」と云っていたけれど、実は奴がやってきたことって全部ソレなんじゃないかとかね。何かで「境界に立つ者」とか云われてた(云ってた?)様な気もするし。

 そうそう、次の徒然袋―風だが、気をつけた方がいいぜ。何せこの不肖Q太郎ですら、榎木津が女性ならば結婚を申し込みかねないところであったほどである。

2009.11.14 | Q太郎[URL] | Edit

なんだと!?

 こっちもそのまんまですぜ。いつだったかに風は邪魅の後がオススメと言われたもんだからまず邪魅から――あれ? そうじゃなかったけ(この記憶力め(私怨)
 一応予約はしていたんですが、図書室が閉まる今日五時までに連絡が来なかったので……受け取りは少なくとも今度の水曜日なんだぜ(月火は休み)

 そうなんだ。「あぁマジで!? マジでなのかよ!?」っていう、無邪気な伯爵を傷つけたくねえっていう想いを抱きながら読み進めていましたぜ。今回は叙述トリックといえど、一般と違う用い方ながら素晴らしいテクニックで織り込んでおられましたな。憑き物落としが始まって、「周りがいつの間にか伯爵を非難する立場から庇う立場に~」という流れはまさしく……。
 仰る通りに、読者からすればニヤニヤしたいからこそ早いとこ予断を持ってしまう――悪い言い方ながら、そこを利用して罠にかけてもらえるんですが。今回は……信じたくないからこそ、疑う余地があればあるだけ自分の考えが間違っている事を望んていたなぁ、とか。

 今回の京極は翻訳者――あれだ、そこは「特に」と言いたかったんだと思うっす。そして重要な言葉が抜けるおどじをやらかしても、私は京極の事が好きだという気持ちに嘘はないぜ。私は柘榴になりたい(呪)
 境界に立つ者っつうのは本人が言ったのか言われたのかそう表現されたのかは良く覚えていませんが、確かにどっかでそういう文章を見ましたな。境界っていうのはきっと狭い場所なんでしょうね。右へも左へも一歩でも踏み出してしまったらどちらかの世界に落ちてしまう。だから京極の立っている場所には、京極以外の誰も立ち入れない。――良くも悪くも孤高なんだな、京極は。なんて感想を持ったのを覚えています。

>徒然袋
 じゃあ私は今から役場に(ry)
 そして大丈夫なんだぜきっと。私ってば榎さんみたいに元気な人は「眺めている派」だから。や、そりゃ振り回されるのもまた一興だと思うけど、ホラ神と一緒になるだなんて大それた真似h――ちょっと今から戦争してくる!(なにフラグだ)

2009.11.15 | ムシクイ[URL] | Edit

    




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